魚の下ごしらえとその手法
     魚の鮮度の違いによる炊き方の違いです

魚の煮付け

さて春も肌寒さも遠のき盛りの頃になりますと、種々
な小魚が市場に出回ってきますね。瀬戸内ではまず
鮎並女(油め)(あいなめ)やがしら、鰈類 等が
春風とともに市場をにぎあわせ、春の訪れを知ら
せてくれます。 今回はこの小魚の煮付けの下ごしら
えと、鮮度の違いによる炊き方のコツをお話しましょう。

先ず下ごしらえですがこれはどの魚でもほとんど例外はなく同じです。当然ですがうろ
こをひいて、えら 腹を除いてよく腹の中を水洗いしてきれいにします。
上の写真は黒目ばるですが、鰈でもなんでもおなじです。裏表に骨にあたるまで切れ
目を入れてから沸騰した湯をさっとかけて霜降りします。  すぐに流水でよく洗って
ぬめりをとります。えらや腹をきれいにとって霜降りして残ったうろこなどをここできれい
にとっておくのが先ず一番のこつです。
これをやらないとぜったいに生臭さがのこります
ので丁寧に下処理をしてください。 処理したものはよく水気をとっておきましょう。

さて次は炊き方ですが、魚の煮付けは魚の鮮度によって
違うのをご存知でしょうか?
結論から申しますとその日に捕れた活きのいい魚は日本
酒と醤油だけ
でさっと炊き、味醂は入れません。味醂を入れ
るとせっかくの活かっている身が味醂によって固くなってし
まうからです。逆に廻り物(少し遠方で採れて流通時間
がかかるもの)などその日に捕れたものでない場合は少し
味醂を入れて炊いてやります
。こうすることによって弱った
身を引き締めてやるのです。生きの良い通称活かった魚
は、霜降りしたり炊いたりすると身がそっくり返ったり踊
りあがったりします。そのような魚はぜったいに味醂を入れ
てはいけません。せっかくふわっとした身がこつこつになって
しまいます。左のように酒を沸騰させて(味醂を入れる場
合は最初に味醂も入れます)アルコールを飛ばしてお
いてから醤油で食い味をつけます。この場合も指を突っ
込んで、すぐに口に含んでみて喉の奥で味を見てみます。
(魚を炊くのはできれば酒だけで炊きます。出しを使うと
かつおの生臭さがでるからです。酒だけだとずいぶんと贅沢
ですね。酒と水半量ずつでも結構です。)
 (^▽^)  

糖分を入れる場合は好みで濃口でいいでしょう。関西ではあらだきなどのような
特殊な炊き方以外は薄口を使う人も多いですね。   このだしが沸騰してから
下ごしらえした魚を入れてさっと炊きます。その日の魚ならほんの一煮立ちで十分です。
魚料理のこつは必ず沸騰してから材料を入れるということですね。 
                  それとやはりなんと言っても霜降りです
。(^▽^)

さて下の写真は黒目ばるを入れて鉄砲ネギなどいれてさっと炊いています。ごぼうで
もなんでもいいのですがネギやごぼうは魚の煮付けには出会いのものですね。臭み
取りになります。 生姜の千切りや薄切りでもよろしいですね。鰈などは煮あがりに
檸檬スライスを添えると鰈独特の臭さも気になりませんね。

もちろん何も入れずに炊い
てもけっこうです。要はその
魚の種類と鮮度によって
経験でアレンジして下さい。
生臭さの多少強い場合は
やはり何か臭み止めになる
ものを入れて炊いたほうが
いいでしょう。

さてあっという間に炊き上がりました。魚を料理し慣れていない方は意外かもしれませんが、
下ごしらえさえすればこれほど勝負の早い料理はそうありません。ほんとに簡単に炊き上
がりますので下ごしらえの苦手な方は魚屋さんで「えらとうろこと腹をとっておいて」と言って
霜降りだけすればいい状態で買ってください。そうすればすごく簡単に新鮮な魚の煮付け
ができあがりです。 下は 黒めばる 目板鰈と筍 です。 季節によって香りをたっぷりあし
らってお召し上がりください。 (^▽^)

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